スマートフォンなどのデジタル端末やインターネット環境の整備などの普及によって、「動画」という存在は私たちにとってますます身近な存在となりつつあります。そのため業種を問わず動画を使ったマーケティングが日常の一部に溶け込むように、当たり前のように行われるようになっています。その中でも特に注目を集めているのがパーソナライズド動画です。

「パーソナライズド動画って何?」
「メリットは?どうやって活用すればいいの?」

など、皆さんの疑問に対して、導入するメリット・具体的な活用方法などについてご紹介していきたいと思います。

パーソナライズド動画とは? メリットも合わせてご説明

SNSやスマートフォンの発達がこれだけ進んできて、より動画マーケティングが一般的なものとなってきていることもあり、この「パーソナライズド動画」というワードを耳にする機会はだんだんと増えてきました。しかし「この動画が具体的にどんな動画でどのような用途で使用するのかわからない」という方も少なくありません。

ということで、パーソナライズド動画とはどういったものなのか、導入にはどんなメリットがあるのかをご紹介していきます。

そもそも、「パーソナライズド動画」って?

まず言葉の定義として、パーソナライズド動画とはユーザーごとのそれぞれ興味のあるものや趣味嗜好、過去に購入した履歴をはじめとする複数の面からみた情報などに沿った内容で構成された動画広告のことを指します。各ユーザーの置かれている環境や立場、状況に合わせて最適な内容で構成しているため、それによって制作された動画を視聴したユーザーは「自分のために作られた(プレミアム感のある)動画」という特別感を感じやすく、動画による訴求効果がより高いとして有効的に使用されています。

通常のパーソナライズド動画を意識していない広告であれば目につくことは無かったとしても、ユーザーそれぞれの趣味嗜好や興味に合わせたパーソナライズド動画を使用することでより強く関心を抱かせることができるのです。

パーソナライズド動画のメリットは何?

パーソナライズド動画にはいくつものメリットがあります。

ユーザーが興味を持っている情報をピンポイントで提供できる

ユーザーそれぞれに合わせた好みや興味を反映した動画コンテンツを広めていくことになりますので、一般的な全てのユーザーに同じ内容の動画を提供するマーケティングよりもより訴求率含め高い効果を見込むことが可能です。

ダイレクトメッセージやメールよりもユーザーにより確実に届けることができる

ダイレクトメッセージやメールなどを使ったマーケティング(メルマガなど)でも、ユーザーの好みや状況などを把握して反映することは可能ですが、その手前にまずはそのメールやダイレクトメッセージ自体を開いてもらわないと効果はもちろん状況把握も得ることはできません。それに対しパーソナライズド動画はユーザーの多くが日常的に利用しているWebサイトに埋め込まれている広告やYouTubeやinstagramのストーリーズなどの動画プラットフォームに挿入されているような動画広告であれば、それを見たユーザーがこちら側から能動的に行動を起こさなくても目に留まりやすくなります。さらにはパーソナライズド動画を使用することでよりユーザーが必要としているような有益情報を提供できるため、「広告を見ている」ということをあまり意識させず興味があるので自然と最後まで視聴してもらいやすくなるというメリットもあります。

ユーザーが特別(プレミアム)感・利便性を感じられる

これは上記2つのメリットに比べると見落としがちな部分になりますが、見ているユーザーに対しての「おもてなし感」を伝えやすいというメリットがあります。前述したように自分が必要としているピンポイントな情報を提供してもらうことができると、ユーザーは「この動画を見ると自分の知りたかった情報を教えてくれている…!」と特別感を抱きます。

さらに動画によってユーザーの現状の会員ステータスやポイントといった個々の情報を表示・反映して動画を閲覧してもらうことも可能ですので、ユーザーにとって「便利な情報ツール」になるという面もあります。そのため一般的な広告よりもユーザーに自然と受け入れられやすい広告になると思います。

パーソナライズド動画導入のポイントとは

前述した通りに、パーソナライズド動画はこれまでの動画マーケティングにはない特性があるのでメリットもいくつもあります。そのためこの手法をこれから導入することを検討している企業や個人も多いかと思います。

ここでは、パーソナライズド動画の導入ポイントについてご紹介します。

それぞれのユーザーに適切なメッセージを伝える

パーソナライズド動画の効果を最大限に活かす為に、適切なメッセージを各ユーザに伝えることが大切になります。一人ひとりに対して異なるコンテンツを提供できたとしても、逆に相手にとって適切なものでなければ全く効果がなくなってしまうので意味が無くなってしまいます。

そこで最初に求められるのが顧客の管理です。動画を制作・公開するにあたって「ユーザーが何を求めているのか」を正しく分析するという目的を持って顧客の情報管理をしていくことが重要です。

パーソナライズド動画を効果的に提供するために必要な情報として、自社サイトのどのページへアクセスしているのか、それぞれのページや動画の閲覧者の年齢層はどのくらいなのか、閲覧しているユーザーはどの地域で暮らしているのか、これまでに何を購入したのかの履歴やどういった内容で検索をしたのかという履歴といったものにフォーカスしていくことも大切です。

ユーザー毎にメッセージを適切に伝える工夫をする

上記のような顧客管理によってユーザーの属性や興味、趣向などを把握することができた場合、次にポイントとなってくる部分は

「どんな内容のメッセージをどの部分に差し込むのか」
「ユーザー毎にどのようにコンテンツ内容を変えていくのか」
という点がポイントとなってきます。

メッセージを差し込む方法としてはテキストや音声などが一般的に挙げられますが、ユーザーそれぞれの会員ステータスやポイントなど、ユーザーごとの個別の情報を動画に差し込んでいくのであればテキストを使用した方が差し込みやすいです。一方で音声を使用する場合としては、内容をパターン化しやすいユーザーの名前や居住エリアなど文字数が少ない内容を差し込む場合に使われることが一般的となっています。

それぞれのユーザーに合わせてシナリオ分岐をする

動画制作をする上で、シナリオ部分はとても核となる重要な要素となります。制作する動画の種類にもよってきますが、動画のシナリオがしっかりしていなければ目的としている視聴者を惹き付けることは難しいです。かといって、ユーザー一人ひとりにそれぞれ全く違うシナリオを用意していくのは現実的ではなく、口数も増える為難しいですよね。

そこでまずはシナリオの基本となる部分を組んだ上で、それぞれのターゲットユーザーに合わせてシナリオを分岐させていく必要があります。性別や年齢層などに合わせて、シナリオの分岐をいくつか用意すれば、ユーザー個々への訴求力がより高い動画を制作することができるようになります。

パーソナライズド動画のさらなる活用とは?

パーソナライズド動画は導入するのみで終わるのではなく、有効的に活用していくことでさらなる効果を高め、見込めることができます。まず意識すべきなのが「見込み客の育成」です。見込み客はすでに自社の商品やサービスへの関心があるので、その関心が高まった段階でパーソナライズド動画を流して視聴してもらうことで、さらなる興味や関心を惹きユーザーの購買意欲を高めることができます。

それに合わせて顧客ロイヤリティの向上も意識していきましょう。例えば、パーソナライズド動画を用いることで、既存ユーザーに向けたリピート率の向上を期待することができます。

パーソナライズド動画は、営業をサポートするツールとしても活用でき、例えば実際に面談をして行う営業の場合も事前にパーソナライズド動画を準備しておくことでユーザーや見込み客の求める情報を素早く提供・それを把握・共有することができます。結果として商品やサービスの理解や関心の促進につながり、より深いファンとなって購買意欲を引き出せるようになるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はユーザーそれぞれの趣味嗜好や興味があるものに合わせてシナリオ分岐をして発信していくパーソナライズド動画についてのお話をさせていただきました。

従来の動画マーケティングとは異なるOne to Oneマーケティングの手法を取り入れたこのパーソナライズド動画は、不特定多数に向けたこれまでのマーケティングと比較するとユーザーごとに対して強調して発信したいメッセージを振り分けてより正確に伝えることができるので、重来のマーケティング方法よりもより高いマーケティングやブランディング効果を期待することができるのです。

不特定多数の人には一般的な手法で動画を発信し、その中から生まれた見込み客に対してパーソナライズド動画を流すことでより購買意欲を高めるこの方法、ぜひ一度ご検討してみてはいかがでしょうか?