縁から始まったクリエイター人生

全ての始まりは、ゲームが好きだった少年時代から始まります。

「いつか、自分の手でゲームを作ってみたい」と思っていた僕は、

学生時代から少しずつ、独学で勉強していました。

そして高校卒業後、情報系の専門学校に入学したのです。

卒業後、学校に求人があった企業に就職。

しかし、本来自分がやりたかったことと求人内容が違っていて、

その会社は研修中に退職しました。

そこから夢を失ったのです。

どうしていいか、何をしていいのか分からなくなりました。

それでも、今日のご飯を食べるために

とりあえず地元の工場で働き始めました。

きっとあの時の自分は、傍目から見ても、

そして自分で今思い返してもブラブラしていたと思います。

そんなある日、僕の友達もたまたまその工場に入ってきたんですよね。

その子も、同じ専門学校の同級生でした。

ほどなくしてその友達が、とある会社に飛び込みで

「勉強させてもらえないか」と面接に行ったことを知りました。

その時の僕は、ただフラフラと働いてただけなのに。

しばらくして、その友達が僕に声をかけてくれて、

同じ会社で働くようになりました。

このときに声をかけてもらっていなかったら、

今は全く違う仕事をしていたと思います。

成り行きのような形でいただいたご縁が、僕のクリエイターとしての始まりです。

挫折と発見、そして再出発

それから、その会社で働いていた当時の上司が「面白い子がいる」と

紹介してくれたのが、まだ高校を卒業したばかりの磯川でした。

その時はまだそこまで深い仲ではなかったのですが、

それから数年後にマーケターの木鋤が、

たまたま修行のような形でうちの会社にきたんです。

そこからいろんな話を聞いたり、話をするようになりました。

そんな中、自分に襲い掛かったのが病気でした。

働くことが難しくなり、お世話になった会社を退職させてもらうことに。

鬱々とした日々を過ごしている中で、声をかけてくれたのが磯川でした。

別に気を遣うわけでもなく、何事もなかったかのように

「これからどうするんですか」とか、「何をしてみたいんですか」とか

そんな話を交わしました。

今思い返せば、そこでポロポロと自分の考えを言語化していく中で

ようやく自分を取り戻せたような気がして、救われたんですよね。

そんな中で、磯川が「北映を立ち上げる」という話になりました。

実は、そのときからつい最近に至るまで、

たびたび「ジョインしませんか?」という話を

いただいていました。本当にありがたかったです。

でも、何年もずっと走り続けてきたから、少し休みたかったというのが現状。

それに、責任が自分1人にしかなくて、その中で自由にやれるという状況も

心地よかった。

そして何より、新しい人たちと一緒にチームで仕事をしていくっていう

自信がなかったんです。

色んな足かせがその時の自分を取り巻いていて、

肝心な一歩を踏み出せずにいました。

それからしばらく経ったある日、たまたまお仕事の用事で

北映のオフィスに足を運ぶ機会がありました。

その頃にはもうすでに今の北映の体制になっていて、オフィスも賑やかで。

そんな空気に少し怖気づいてしまって、初めはうまく話せなかったのですが、

メンバーのみんながあまりにも優しくて、ついつい話してしまうんですよね。

そんなに面識のない僕にもフラットに接してくれて、温かくて。

それに話を聞いていく中で、一般常識の型にはまらない

北映の自由な働き方が本当に新鮮で、ものすごくいいなと思ったんです。

そんな時間を過ごしているうちに、

「この人たちとなら大丈夫なんじゃないか?」

「この人たちと仕事をしてみたい」と思うようになり、

磯川にジョインさせて欲しい、とお願いしました。

小さいけど大きい、僕の持つ「チカラ」

※ 約2年前の塩浜さんですが、フリー素材ではありません。

北映は、メンバーひとりひとりに、それぞれ目指す目標があります。

僕は、クリエイターとして自分の作品を世に出していきたい。

一番の夢は、やっぱり変わらず「ゲームを作ること」。

もちろんエンジニアとして自分のスキルを高めていくことは当然ですが、

やはり、自分の夢を追い求めて、実現させていきたい。

そしていつか、誰かを感動させる作品を作って

それに触れてくれた人の行動を、いい方向に変えたいんです。

と、こんな夢を語っていますが、それを叶えるために

いま僕が持っているチカラは、あまりにも小さい。

不特定多数の誰かを感動させるなんて、正直まだまだ難しい話です。

でも、角度を変えてみたら、こう思うんです。

こんな小さなチカラでも、

「自分自身を感動させること」はできるかもしれない。

この世の中、自分に似たような悩みや経験を持っている人は

世界のどこかに必ずいます。

僕と同じような挫折や、苦労や、喜びを経験した

「限りなく似ている誰か」は、この地球上を見渡せばどこかに必ずいるんです。

それなら。

僕が「自分自身を感動させる」チカラを持っているならば、

それは「僕に限りなく似た誰かを変える」チカラを持っているっていうこと。

不特定多数の誰かを変えることはできないかもしれないけど、

自分自身を、僕に似た誰かを変えることはできるかもしれない。

僕はクリエイターとして、そんな作品を作りたいと思っています。

いつかその夢が形になったら、そのときには

北映が持っている「映像のチカラ」を借りたい。

それが今の、クリエイターとしての僕が出来る精一杯の恩返しです。

それまで、みんなの力を借りながら一歩づつ

着実に進んでいこうと思っています。