■目指した夢、知った現実
昔から、ものづくりが好きな子供でした。
幼い頃からブロックで何か作ることが好きで、朝から夜まで没頭。
少し大きくなってから出会ったゲームで、人生が大きく変わりました。
「ゲームを自分の手で作り上げること」
それが僕の夢になったのです。
そして高校を卒業してから、ゲーム作りを学ぶための専門学校へ進みました。
しかし、そこで気付いてしまったんです。
僕は「ゲームが好き」なのであって、「ゲームを作る」ことは好きじゃない。
人生をかけてこの仕事をしたい!と、言えない。
実際に作り手の立場に立って、経験することで気付いてしまいました。
夢だった進学先に進んだはずなのに、そこで夢を失ってしまったのです。
実際に、「第一志望の就職先に受かったけど…」
「好きだったはずなのに、いざ仕事にすると…」
こんな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
僕はその後、ゲーム作りから方向転換してウェブデザインの勉強を始めました。
進学した専門学校で学べることが、その二択だったからです。
もちろん経験がない分野だったので、苦労しました。
そして月日は流れ、いざ就活を始めた時に大きな違和感を感じました。
いただいた2社からの内定。
その会社に勤めて、仕事をやり遂げようと考えた時に、
どうしても僕は心から「やりたい!」と思えなかった。
たった一度の人生、それでいいのか?と自問する日々が続きました。
■飛び込んだ新しい世界
そんな中で、たまたま高校時代の先輩だった木鋤から連絡がありました。
「磯川と仕事をすることになった」「映像制作業をする」と。
話を聞いていく中で、だんだんワクワクしてきました。
そう、だいぶ昔に忘れてしまっていた、あのワクワク感です。
ゲームやウェブをやっていたので
ビジュアルの仕事に関しての興味が高かったのもあり、
内定を断って、人生で一番の大勝負に出ることにしました。
自分からアクションを起こすことのできない僕を、引っ張り上げてくれたのが北映です。
いざ映像制作をはじめてみて、初めは挫折の毎日でした。
知識も実力もない、ビデオグラファーとしてまだスタートにすら立っていない。
そんな中で、約1年間がむしゃらに編集を続けていました。
「本当に、映像で食べていけるんだろうか?」
「やっぱり自分の妄想を仕事にするなんて、無理だったんじゃないか」
そんな思いが出てきた時に、とあるお客様から
「すごいね!ありがとう」の声をいただいたんです。
その感動の声をいただいた時に、言葉では表せない感覚を覚えました。
僕は、劣等感の塊です。
でもお仕事を通して初めて評価をいただいた時に、
「僕はこれでやっていくんだ」と変わることができました。
■「幻想」を「現実」に
僕は口下手だし、自分の感情を周りに伝えることが苦手です。
だからいつも「こうしたい」「ああしたい」という気持ちは、
自分の中にしかありませんでした。
思い描く理想を形にすることは、ただの「幻想」でしかないと思っていました。
でも、ひょんなことから映像制作・北映に出会って大きく変わりました。
道半ばで自分の夢を諦めてしまった人、夢がわからなくなった人にも、
必ず「自分の思い描く世界」があります。
僕はやっぱり、ものづくりが好きだから、
映像をつくることでその世界を伝えたい。
どんな人にだって、「幻想を現実に」できるんだから。