最近、業務効率化の一環として、社内間で動画を社内のコミュニケーションとしての手段として採用する企業が増えてきました。

動画は、目で見る情報(視覚)だけでなく耳から入る情報(聴覚)からも情報を得ることができるため、テキストの書類などと比べると圧倒的に印象に残りやすいことが特徴です。その他にも、動画のメリットとして利用することには動画内の情報共有の正確性の向上など、多くあります。社内での新人向け研修用ビデオや会社代表からのメッセージ、社内イベントの紹介映像など、活用方法もさまざまとなっています。

動画制作を検討していく上でとても重要なことは、構成やテーマなど、動画の内容に力を入れること。しかし、用途別で共有方法を変えていくことにより、より効果的な社内展開を可能にしていくことが可能です。今回の記事では、社内動画を配信する上での注意すべきポイントの解説、おすすめの動画配信方法についてもご紹介していきたいと思います。

動画配信で気を付けるべきポイントとは

「動画って作っちゃえばあとは配信するだけでしょ?」と思っていませんか?
実は、配信においても気を付けるべきポイントがいくつかあります。

動画配信の規模を考える

動画配信・共有サービスの多くが、アップできるファイルのストレージ容量や、その媒体の利用人数に応じた料金プランを用意しています。
そのため、まず初めに決めておくべきことは、動画配信の規模になります。なぜかというと、どれくらいの配信の規模感で、どれぐらいのコストが必要になってくるかを把握しておく必要があるからです。

配信本数や配信ペース、動画の再生時間、動画ファイルのサイズはどれくらいなのか、どの程度の人数が視聴するのかの想定人数も把握しておくといいかもしれません。

セキュリティに関する要件について

作成した後は、配信する動画の機密性についてももう一度確認しておきましょう。社内用の技能研修などの会社のノウハウが多く詰まっている動画だったり、まだ公開されていない新商品や新製品などについての動画など、社外秘の情報が含まれる場合には特に注意をして把握・確認をしておく必要があります。

またコンプライアンス的な観点からも、社員のプライバシーに関わる内容が記載、紹介されている場合であれば、それぞれその内容を公開していいかの旨を社員に事前に確認をとる必要があります。
その他にもセキュリティ要件の確認を動画の企画段階から事前に準備し行っておけば、スムーズに動画が配信までできるので、そこにも注目しておくと良いでしょう。

シングルサインオンについて

まず「シングルサインオン」という定義についてですが、シングルサインオンとは、1組のIDとパスワードを使用することで、複数のWebサービスやアプリケーションにログインすることができる仕組みのことを指しています。

動画サービスや社内でのチャット、会計システムなど、業務上では多くのアプリケーションを利用している企業さんが多いかと思います。これらすべてが別々のIDとパスワードで設定されていた場合、覚えることも大変ですし、セキュリティ性を高めるために複雑なパスワードなどにした場合は入力も面倒になります。また、メモなどで忘れないように残しておいている場合もありますが、紛失してしまったり誤って削除してしまった場合に情報漏洩の恐れも出てきてしまいます。

シングルサインオンはその複雑なパスワードを覚えたり記録しておくという面倒くささから解放されると同時に、社内としてもシステム管理者への作業量が軽減されるので、生産性の向上にもつながっていきます。

社内動画を配信するときにも、シングルサインオンはとても有効に使えます。ですが企業規模や社内ネットワークの仕様などで設定方法が変わってきますので、社内の要件に合った内容でシングルサインオンを導入するようにしましょう。

ニーズ別・オススメの配信方法

ここではニーズ別に4つの動画共有サービスを紹介したいと思います。

YouTube(社外でも配信したい)

社内共有はもちろんのこと、自社サイトなどで社内だけでなく社外にも共有していきたい、配信したいという企業には、YouTubeがオススメです。
近年のYoutubeではYouTuberなど個人個人での動画投稿が主となっていますが、最近では企業のプロモーションをYouTubeで行なっている企業も多く見られるようになってきました。近年での動画共有サービスの中でかなり定番化したサービスともいえるでしょう。

Google Drive(動画本数が少なく、無料で始めてみたい)

まずは無料でお試し感覚で始めてみたいという企業は、Google Driveが良いかと思います。
正確にはGoogle Drive自体は動画共有サービス専門の媒体ではなくファイル全般をクラウド上にアップして保存するファイルストレージサービスになっていますが、もちろん動画共有の用途としても使用できます。社内ではじめて動画を共有する場合や、知ってる人しか閲覧できないような限定のリンクなども作成することが可能なので、お試しで配信をしてみたいという場合に便利です。

企業向け動画共有サービス(動画数が多く、セキュリティ面を重視したい)

動画数も多く、そして何よりもセキュリティ面がとにかく心配!という企業は前述2つのような媒体ではなく、企業向けの動画共有サービスを利用するようにしましょう。
有料にはなってしまいますがサービスによっては社内広報だったり研修に特化した共有方法もありますので、大方コスト面に問題がないのであれば、こちらを利用するのも良いと思います。

フルスクラッチ(予算とリソースがあり、機能やデザインに力を入れたい)

開発へのリソースや予算が確保できるのであれば、ゼロからシステム段階から動画共有サービスを作ってしまうのも手ではないでしょうか?
フルスクラッチで自社専用として作ってしまえば、システム構成や機能だけでなく、デザインまでほぼ思い通りのものが作成でき、管理の仕方に不備を感じなかったり、満足度はとても高いといえるでしょう。

それぞれの媒体のメリット、デメリット

1. YouTube

YouTubeでは無料で動画を公開したり独自でライブ配信ができます。
またプライバシー設定で「URLを知っているユーザーのみが動画を視聴できる」といった設定も可能ですので、社内共有の用途としてもとても利用できます。

しかし、YouTubeのプライバシー設定に関しては、逆に「URLを知っていれば誰でも閲覧することができてしまう」ため、社外秘の動画を共有するときにはあまり利口な方法ではないといえます。加えてYouTubeは特定のアプリケーションを使用することで簡単に動画のコピーもできてしまうため、そういった点での脆弱性には注意が必要です。

併せて、YouTubeには投稿者側から見ることができる視聴履歴分析機能がないので、誰がいつ動画を視聴したのかといった情報は大まかなグラフでしか確認することができません。

さらに、利用規約に同意が必要なので、基本的にはそのYoutubeの利用規約にしたがって、合致した動画しか共有することができません。例えば利用規約に同意するということは動画作成時に著作権に触れないように、使用する音源や画像について細かく選定する面倒が発生してきます。今一度利用規約に目を通し、投稿する動画が規約違反になっていないか確認しておきましょう。

2. Google Drive

Google Driveは個人のアカウントを作成し使用した場合は、15GBまで無料でストレージが使用可能です。
コンテンツごとにプライバシー設定をかけることもできるので、前述のYouTubeと比べるとより細かい視聴設定が可能です。無料で15GBまで使用できる点も良いですし、契約者側でのサーバーの保守・運用は必要ないためエンジニアを雇わせたり業務が増えるといったこともありません。

しかしあくまでGoogle Drive川の管理になるため、Google Driveでシステム障害等が起きた場合は、動画ファイル自体にアクセスできなくなってしまいます。また基本ファイル単位での管理になるので、それぞれファイル分けなどをして管理をしていかなくてはなりません。また、誰がいつどれだけその動画にアクセスしたのかなどのアナリティクスも計測できないため、そういった部分での把握はできません。

3. 企業向け動画共有サービス

元々の制作段階から企業向けとして開発されていることもあって、サービス内容には企業にとって便利な機能が多く搭載されています。前述のYouTubeやGoogle Driveとは異なり、視聴分析の機能を持つサービスや、アフターサービスも充実しています。

しかし有料のサービスなので、コストがマストでかかってしまいます。事前に料金について考えておかなければなりません。導入効果や公開内容がが明確でない限りは、慎重に進めていくようにしましょう。

4. フルスクラッチ

フルスクラッチなら、開発のリソースとサービス完成までの時間、社内予算の許す限りは、極力理想に近いサービスを作ることが可能です。また、完成品は自社商材としても大きく利用できる可能性が高いです。

ですが、やはりフルスクラッチでの立ち上げになるので開発期間や費用が膨大にかかってしまう可能性は高いです。また、仮に完成した場合は、点検・保守・運用についても自社で管理して行っていく必要があります。

今回のまとめ

公開対象が社内向けの場合は、まずはじめに動画配信の規模について考えてみるようにしましょう。共有する動画の内容次第ではセキュリティについても重点をおく必要があります。既に多くの人に使用されているYouTubeやGoogle Driveといった無料の共有サービスは、気軽に利用を始めることができますが、本格的な配信を今後したいと考えているならば企業向けの動画共有サービスを利用する、完全に自社で構えたサービスで今後は自社の商品としても出していきたい場合はフルスクラッチで一から構築することも視野に入れておくことが大事なポイントになると思います。

動画制作のプロである北映 Northern Filmsは、社内での動画の作成から配信までの工程まで、すべて丁寧にサポート・フォローいたします!動画制作や自社での動画配信をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください^ ^